まずは最初の大喰岳へ向かいマス。
槍ヶ岳山荘のテン場が北穂高への縦走の入口デス。
しっかし槍ヶ岳山荘のテン場は凄いとこにありマス。
ロケーションは最高。
でも相当寝相が悪い人はうっかりテントから出ちゃって
10回くらい寝返り打ったらそのまま永遠の眠りにつけそうな
くらい高度感のある狭いサイトです。
でも整地はされてるのでペグは刺さりそうだし、ペグ替わりの石も転がってマス。
ちちみに設営数は先着20だか30のテント場です。
早いもの勝ちですな。
それはさておき、天気は快晴。
気持ち良く縦走路を歩いてると。。。。
06:20 あっという間に大喰岳(3101m)。
通過点なので早々に次へ。
7:20 中岳~(3084m)
あんまり記憶に残ってないくらいなので、ここまで大した道では無かったデス。
キツイ登りもなくあっと間デス。
途中、中岳~南岳への鞍部で雪渓ありましたが
その下は雪解け水が流れてる水場をハケーン
冷て~、そしてウマいッ!
美味しい水飲んで体力回復
天気も良く、急な登りもないので気持ちよくドンドン進みマス。
08:00 南岳~(3033m)
ここまでも別段、難しい事は全くありません。
稜線からの風景を楽しみつつハイキング気分。
途中、英国風のダンディなミドルから
『ライチョウミマシタカー??』と聞かれたくらい。
残念ながらボクは今回お目にかかってません。
逆光~
南岳から10分後。南岳小屋~。
少し休憩。
小屋では布団を既に干してましたね~。
さて、ここからが今回の槍ヶ岳に並ぶメインイベント。
大キレット。
大キレットとは。。。。。
大キレット(だいきれっと)は、長野県の南岳と北穂高岳の間にあるV字状に切れ込んだ岩稜帯である。この縦走ルートは、痩せた岩稜が連続し、長谷川ピークや飛騨泣きといった難所が点在する。
近年、関係者の尽力により、足場等の設置が施され、以前に比べて危険度は減少している。それでも毎年数名の死亡者と多数の負傷者が出ており、国内の一般登山ルートとしては、今なお最高難度のルートの一つであることは間違いない。
また、高校の山岳系の部活動などで行ってはいけないルートとして大キレットを指定している県もある。
wikipediaより
多少の誇張感はある気がしますが難ルートであるのは間違いないっす。
ヘイヘイ、ドキドキするじゃねえかー
なんて思いつつ、レッツトライ!
早速、いい角度の岩場をガツンと降ろされマス。
暫く降りて、振り返ってみる。
よく降りてきたな~なんて思ったり。
途中ハシゴなんぞも。
この辺は獅子鼻だったかな。。。
暫く下って、また振り返る。
またまた、あのてっぺんから降りて来たのか~なんて思うと
なんだか感慨深い。。
ちなみにここまで、鎖やらハシゴやらでずっと3点確保しながら降りるような場所デス。
ボクの前後に何人かいましたケド、みんなヘルメット着用。もしくは所持。
そして何人かは、ザイルやら下降器やらハーケン持ってたり。
その辺のクライミングギアを全く持ってきてないボクの軽装備さ加減に微妙に不安を禁じえません
まあ、そんなこと考えても今更仕方ないので、注意しつつ先へ進みマス。
更にいい感じの高度感を味わいますぜ~。
ホント岩場がひたすら続きマス。
写真じゃ分かりずらいですが、終始高度感ありマス。
こーゆーとこは足場がちゃんと設置されてるのが助かりますね~。
足場ないと確保必要だな~。
もちろん下は。。。。。。
うっかり踏み外したら、長野側か岐阜側に落ちるかは分かりませんが
下界まで落ちて。。。。。。
こんな感じ??
さてさて、そんな風にならないように慎重に進みますが、岩登りフェチなボク。
高度感もさながら楽しくて仕方ありません。
降りてみてから、よくトラバースしたり降りれたな~なんてまた思ったり。
多分、長谷川ピーク。
大キレットの中間の難所デス。
おい、こんなとこトラバースさせんの?
みたいなとこを手に汗かきながら進んでると。。
有名な
飛騨泣きデス。
下は崖でして、更に北穂側からも来ている人もいるので
飛騨泣きでは軽く渋滞が起きてました。
待機場所も狭いので前後の登山者に声を掛け合って調整します。
待つこと5分くらいで、ボクの番。
ステップも鎖もあるので、下さえ気にしなければ、思ったほど
難しくはなかったデス。
でもここまで、雨や豪風の日や積雪期はちょっと遠慮したいですね~。
ビバーグできる場所殆どないし、ツルっとイったり、風に煽られて態勢崩したら
マジでシャレにならん場所デス。
楽しいのですが(笑)
飛騨泣きを越えたら、後は北穂へ向かって登りが続きマス。
大キレットでは手を使わずに登れる場所は無いので基本ず~っと
3点確保しながら登りマス。
ここら辺はストックなんぞは邪魔になるだけですよ~。
ここを登りきれば北穂デス。
この大キレットで一番怖いと思うのが、もちろん高度感や垂直に近い岩場の上り下りや
ナイフリッジみたいなとこも沢山あるのでそこもそれなり怖いですが、一番怖いのが
落石デス。
このルートはほんと落石が多い!!
ボクの前に登ってる人もたまに石を落としてしまってますし、ボクも注意してても
浮石を踏んでしまって
「ラーック!!」なんて声かけてしまってマス。
途中、ボクの上にいた人が浮石踏んで落してしまって
ボクの後ろにいた人に危うく直撃する場面もありました
岩を登ったり降りたりする技術も必要ですが、ここはいかに石を
落さずに登る技術も必要デス。
12:00 北穂高小屋
登り終わったところに北穂高小屋。フ~~
流石に少し疲れたので休もうかと思いましたが、売店からいい匂いが。。。。。
みんな美味そうにビール飲んでいやがりますな
酷い当てつけデス(笑)
無一文なボクには刺激が強すぎるので、早々に小屋裏にある北穂高山頂へ~。
12:05 北穂高岳(3106m)
サクっと登頂。山小屋の裏手が頂上ですな。
時計を見てタイムを確認。
ここまでいいペースで来てますが
先を急ぐのでさっさと進む事に。
これから涸沢へ下りマス。
途中、テン場を横目に見つつ。。
涸沢まで下ります。。。。。。。。。
が!!
ボクの勝手なイメージですが、涸沢~穂高岳山荘のザイテンルートくらいを
想像してたのですが、想像より結構急な岩場の下りがずっと続きマス。
(ツラかったので写真なし)
大キレットを縦走してきて体力が落ちてきてるせいか、急ぎ過ぎたかで
途中シャリバテに。
先を急ぐばかりにシャリバテに気づかないとは不覚
休憩してエネルギー補給して歩き出すと、天気いいのに今度は何故か汗が
全く出てこないことに気づく。
細目に水分補給はしていたつもりだけど、慌てて追加で水分補給。
ついでにここで足の右足の指先がやたら痛い。
急な下りがずっと続いて指先に負担がかかってたのか、歩き方が悪いのか。
少しでも指に当たらないように途中で指にテーピングを巻きマス。
痛みは少~しだけ緩和されたものの痛いものは痛い
下りなのに一向にペースは上がらず。。。。
そんなこんなで途中までいいペースだったのに、ここで大幅ダウン。
途中、休憩してる時に大キレットでボクの前を歩いていた男性が後ろから
ボクを追い越して行きました。
少しお話ししたんですが、この出会いが後にとても助かる事となりました。
男性 「大キレットでも一緒でしたよね~」
ボク 「ですね!今日はどこまで行かれるんですか?」
男性 「一応、行けるとこまで行って、1泊して明日上高地から帰ろうかと」
ボク 「そうなんですかー。ボクは実はお金が尽きちゃったんで今日上高地まで行ってバスで帰ろうかと」
男性 「!! それはハードですねえ。何とかバスは・・・・間に合うかもしれませんね。」
「ボクも頑張って上高地まで行ってみようかなー」
ボク 「そうなんですか! ではまたお会いすると思いますので宜しくお願いします」
なんて会話をしてと一度お別れをします。
14:20 涸沢
予定よりかな~り遅れて到着。
この時点で足の指も痛いし、お昼も食べてないので
休憩したかったのですが。。。。。
ん~、おさらい。
最終バスは
上高地発18:45。
涸沢から横尾まで
2時間。
横尾から上高地まで
2時間半(初日のタイムだと)
現在
14:20過ぎ。
かなりギリギリだ。。。。。
お昼ご飯は諦め涸沢では水場で水を補給だけしてさっさと涸沢を後にシマス。
ご飯喰いてえ~~!!
涸沢を後にしますが直下ではまだ雪渓が。
今年は残ってますね~。
足指が痛いのを歩き方を変えながら堪えつつ、ひたすら下りマス。
途中休憩してる時に、丁度北穂高からの下りの途中で会った男性と再会しました。
男性 「お、先に行かれてたんですね!頑張りましょう。本谷橋でまたお会いしましょう」
と約束をし先に行かれました。
何時だったか忘れましたが、本谷橋へ到着。
男性が一足先に到着して休憩しておりました。
ボクもそこへ合流して休憩を。
ボク 「あまりタイム縮まってないですね~」
男性 「そうですねー。ペース上げたつもりだったんですがあまり縮まってないですねぇ」
ボク 「急がないとマズイですね」
休憩もそこそこに、横尾を目指しマス。
本谷橋からは男性と一緒に歩きました。
競歩かっ!というレベルの速さで歩いた(つもり)でしたが。。。。。。
16:40 横尾
二人 「・・・・・・・・・・・タイム全然縮まってないですね。結構早く歩いたつもりなのに・・・」
ここで悩んでも仕方ないので、一時休憩。
ここでMさんが
「何か飲みます?奢りますよ?」
と
神の一声。
遠慮はしましたが、最終的にご厚意に甘える事に。
「・・・・・・・ウメぇぇぇ~~~!!」
ここで飲んだコーラは最高でしたね~。ずっと炭酸飲料をガマンしてたので。。
コーラを飲みながら、この後の行程の作戦を。
ボク 「かなり時間が厳しいですが、取りあえずボクは上高地を目指す事にします。もし
最終バスに間にあわなかったら、上高地でビバーグでもして翌日朝にバスで帰ります」
男性 「そうですか。ボクは諦めて少し休憩します。でもこうしましょう。もし間に合わなかったら携帯に電話ください。
ボクも今日帰ろうかと思いますので、間に合わなければ一緒に沢渡までタクシーで帰りませんか?」
ボク 「え?それは悪いですよ。取り敢えず頑張りマス。」
なんて会話しつつ、電話番号を頂きお名前も頂戴(Mさんといいます)
という事で、ボクは一足先に横尾を出発。
2時間で上高地へ到着すればまだ間に合う。。。。。
・・・・・・・・なんて甘い考えは歩きだして30分で崩壊。。
槍ヶ岳から大キレット~涸沢経由で歩いてきて既に行動時間が11時間を過ぎてる。。
チョクチョク行動食で補給しつつ休憩するも体力が・・・・・・
まるでペースが上がらない上に、上高地までの変わり映えのしない
平坦な道。。。
テンションもまるで上がらず。。。
軽い絶望を覚えつつ道端で休憩してるとMさんが追いかけてきて合流。
ボク 「全然ダメです。最終バス諦めました」
Mさん 「では一緒にタクシーで帰りましょう」
ボク 「すみません~~」
という事で二人で上高地まではゆっくりとお話ししながら向いマス。
夏とえいえど18時を過ぎてくると暗く。。
しかも超平坦な道が延々と。。。
1人だったら心折れてましたね~。ポキっと
途中、ちょっと
足を引きずってる初老くらいの男性と孫らしき男性二人を
追い越しました。
孫らしき男性もちょっと目が
イッてる感じだったので少し心配でしたが。。
こんな感じ?
小梨平に着く頃にはもう真っ暗。
河童橋まで着いて、もうちょいでバスターミナル。。。
19:15 上高地BT
着いた~~~!!!
真っ暗で当たり前ですがバスはありません。
タクシーを探します・・・・・・
いた!!!
近くにいる運転手さんがボク達を見て話しかけてきます。
運転手さん 「もしかして****さんですか?」
ボク達 「??違いますけど??」
運転手さん 「そうですかー、実は登山者から電話がきて途中で足を痛めてしまったので
待ってて欲しいと(タクシー)会社に連絡あったんですよー」
ボク達 「そうなんですか。あ!!そういえば明神手前で足を引きずってる2人を見ましたよ」
運転手さん 「多分、その人達ですね!」
ボク達 「結構ペース遅かったのであと1時間以上はかかるでしょうね~」
なんて話ししつつ沢渡へ向かってもらう事に(Mさんも駐車が沢渡でしたので)
車内で
「実はタクシーの最終は19:30なんですが、これは8月のみで通常は18:30が
最終なんですよ~。19:30が最終と思われちゃうといけないので、あまり言わないのですが」
なんて話を。
おおー、タクシーの最終も結構ギリギリで着いたのか、ボクら。。。危なかった。。
先に沢渡のボクの車が置いてある駐車場に着いて、降ろしてもらい
停めてある車内にお金が置いてありましたので、タクシー代金を払おうと
「今、お金を持ってきますのでちょっと待ってて下さいね~」
と待っててもらおうとすると
Mさんが
「いえいえ、いいですよ!これも何かの縁ですから気にしないで下さい。
また縁ありましたらご一緒に。」
と、呼び止める間もなく颯爽と去っていきました。
く~~、カッコ良過ぎる。
ホント、Mさんに感謝。
山での出会いに感謝。
こーゆー出会いがあるから、登山って好きデス。
丁度沢渡に着いたら一気に雨が降ってきました。
(この日の夜は大雨で諏訪湖の花火大会が中止になったそうで)
20時過ぎてましたので、近くの温泉は終了してましたので
この日の入浴は諦め、沢渡の市営駐車場内にある足湯に少し浸かって
松本から高速に乗って帰途に着きましたぜ~。
結局、途中のSAで夕ご飯食べて駐車場で少し休んでたら
オチちゃって起きたら翌朝でしたが。。。(汗)
<今回のルート>
初日 走行距離 13.7km 約10時間
2日目 走行距離 31.4km 約14時間
いや~、ハードでしたが、いい経験でしたし楽しかったデス♪
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